サステナビリティサイト・アワード2026
サステナビリティコミュニケーションの調査・研究を行っている一般社団法人サステナビリティコミュニケーション協会(代表理事:安藤光展、以下:当協会)は、サステナビリティ/ESGに関するWebコンテンツページ(以下:サイト)の情報充実度で格付けした「サステナビリティサイト・アワード2026」(以下:本アワード)を本日発表したのでお知らせします。
本アワードは、当協会が上場企業のサイト運営実態調査を目的として調査および格付けし毎年発表しています。2017年に日本で初めてサステナビリティサイトの総合評価における格付け・ランキングとして発表し、今回で10回目となります。本アワードは、プライム上場企業および非上場大手企業のサイトにおいてサステナビリティ情報開示充実度を調査し、総合的に優れたサイトを「ゴールド(最優秀賞)」「シルバー(優秀賞)」「ブロンズ(優良賞)」のクラスで表彰しています。第10回の今回からは「業種別」の企業ランキングも発表しています。今年の受賞企業は以下の通りです。
表彰企業(順不同)
総合入選企業
◯ゴールド
東急不動産ホールディングス、TDK
◯シルバー
住友林業、大和ハウス工業、レゾナック・ホールディングス、出光興産、三井不動産、三菱地所
◯ブロンズ
戸田建設、コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス、日産化学、三井化学、住友ベークライト、UBE、オリエンタルランド、三菱マテリアル、ブラザー工業、日本電気、良品計画、大日本印刷、ヤマハ、コクヨ、東京エレクトロン、日本電信電話、日本電信電話、KDDI、ソフトバンク、サントリーホールディングス
業種別ランキング
◯食品
1. サントリーホールディングス
2. コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディング
3. 味の素
◯エネルギー資源
1. 出光興産
2. コスモエネルギーホールディングス
3. ENEOSホールディングス
◯建設・資材
1. 住友林業
2. 大和ハウス工業
3. 戸田建設
◯素材・化学
1. レゾナック・ホールディングス
2. 三井化学
3. 日産化学
◯医薬品
1. 中外製薬
2. 小野薬品工業
3. ロート製薬
◯自動車・輸送機
1. ブリヂストン
2. 住友ゴム工業
3. 横浜ゴム
◯鉄鋼・非鉄
1. 三菱マテリアル
2. 古河電気工業
3. UACJ
◯機械
1. クボタ
2. ダイフク
3. NTN
◯電機・精密
1. TDK
2. 日本電気
3. ブラザー工業
◯情報通信・サービスその他
1. 大日本印刷
2. KDDI
3. ソフトバンク
◯電力・ガス
1. 西部ガスホールディングス
2. 中部電力
3. 四国電力
◯運輸・物流
1. 東日本旅客鉄道
2. 日本航空
3. 三井倉庫ホールディングス
◯商社・卸売
1. 丸紅
2. 双日
3. 長瀬産業
◯小売
1. 良品計画
2. トリドールホールディングス
3. ジンズホールディングス
◯銀行
1. みずほフィナンシャルグループ
2. 三菱UFJフィナンシャル・グループ
3. セブン銀行
◯金融
1. 野村ホールディングス
2. SOMPOホールディングス
3. 大和証券グループ本社
◯不動産
1. 東急不動産ホールディングス
2. 三井不動産
3. 三菱地所
本調査の講評
今回のアワードは記念すべき10回目となりました。今年の調査も評価の高い企業が多く、絞り込み作業が難しい場面も多くありました。この10年でサイトの何が変わったかというと、中身自体の変化はもしかしたら大きくないかもしれません。多くの上場企業のサイトを10年近く定点観測をしてきて感じるのは、単純にサイトでサステナビリティ情報を開示する企業が何倍にも増えたことです。義務的な部分が多いとはいえ、サステナビリティ関連情報の重要性に気づき、開示を行う上場企業が増えたことは、サステナビリティ経営推進をする立場の者として非常に嬉しく思います。今後は、独自性や競争優位性を前面に出し差別化を図る企業が増え、サイト内容の質と量は二極化するでしょう。
ここ数年のサイト関連のトレンドや争点として「PDF化」と「すみわけ」があります。PDF化とは、従来のサステナビリティレポートを廃止し、サイト情報をPDF化し1年間のアーカイブとして情報開示を行う方法です。統合報告書発行企業ではサステナビリティレポートの廃止が進んでいますが、統合報告書だけでマルチステークホルダーの情報ニーズに応えることができないため、サイトを暫定的なサステナビリティレポートとしてPDF化(ミラーコンテンツ)して、その年の開示情報をアーカイブし始めています。このようなすみわけで進めて、事実上サステナビリティ関連情報開示として、統合報告書とサステナビリティサイトの2つをメインのメディアとして制作・運用にリソースを集中させることができます。
これらの動きは、メディアのすみわけにもつながりますが、全上場企業に有価証券報告書でサステナビリティ関連情報開示が義務化される中、サステナビリティ情報を「どこの誰に、どんなメディアで、何を伝え、どんな行動変容を期待するのか」という論理立てて開示戦略を組み立てる必要が出てきました。メディアのすみわけに唯一の答えはありませんが、サイトはいつの時代もすべてのステークホルダーに向けた情報開示の起点となっていますし、今後の重要度も下がることはありません。
またAIの進化によって、統合報告書等のレポートだけではなく、サイトも有力なサステナビリティ情報の収集先となっており、AIフレンドリーなWebデザインが求められています。我々も実務的なユーザビリティを考慮し、今回調査から評価項目に入れました。AI評価を考慮しない企業のサイトは、ESG評価の足を引っ張ることにもつながるので注意が必要です。
我々も試行錯誤しながら「評価されるべきサステナビリティサイト」を表彰できるよう努力してまいります。来年のアワードもぜひご期待ください。今後ともご贔屓によろしくお願いいたします。
コメント:安藤光展(本アワード審査員長、サステナビリティコミュニケーション協会・代表理事)
調査概要
◯主要評価テーマ
<全体項目>
1. ガバナンス:サステナビリティ関連のリスクと機会を特定・管理するプロセス・推進体制の開示がある
2. 戦略:サステナビリティ関連のリスクと機会に関する中長期の戦略および見通しについての開示がある
3. リスク管理:サステナビリティ関連リスクについて識別・評価・管理についての開示がある
4. 指標と目標:サステナビリティ関連のリスクと機会に関する短中長期の成果指標・目標の開示がある
5. インパクト:経済的・社会的な成果(アウトカム)およびその特定・測定・管理に関する開示がある
6. コネクティビティ:相互に関連し合う要素が統合的に明示され情報に一貫性・整合性がある
7. オリジナリティ:コンテンツに独自性があり企業の「らしさ」が合理的に表現できている
8. ユーザビリティ:更新頻度が高く、構造が明瞭で、検索性および視覚性に優れているWebデザインである
9. アクセシビリティ:あらゆるステークホルダーに配慮されたWebデザインである
10. AIフレンドリー:コンテンツ全体が機械可読性の高いWebデザインである
<個別項目>
1. 経営理念:理念体系および企業文化、沿革、創業の想い、など組織理解のための関連情報が十分にある
2. マネジメント:推進体制、推進戦略、関連する各方針、中長期経営計画などが明確に開示されている
3. マテリアリティ:マテリアリティ特定過程および項目、目標、KGI/KPIに関する情報が十分にある
4. トップメッセージ:トップマネジメント(CEO)のコミットメントに関する情報が十分にある
5. エンゲージメント:重要なステークホルダーが特定され、そのエンゲージメントに関する情報が十分にある
6. 価値創造:経済的・社会的な企業固有の価値創造に関する情報が十分にある
7. 経営資本:競争優位に資する無形資産を事業戦略に統合した情報が十分にある
8. 社内浸透:経営理念や推進戦略の解像度を高め、行動変容を促すための社内浸透に関する情報がある
9. 環境:気候変動対応、生物多様性および環境領域全般に関する網羅的な情報およびデータがある
10. 社会:人的資本、人権、サプライチェーンおよび社会領域全般に関する網羅的な情報およびデータがある
11. 組織統治:“稼ぐ力”の強化およびガバナンス全般に関する網羅的な情報およびデータがある
◯対象
2025年7月1日時点のプライム上場企業および一定の事業規模がある非上場大手企業の合計1,658社の、コーポレートサイトにおけるサステナビリティ/CSR/SDGs/ESG/CSV/SX/社会・環境に関連するコンテンツ、サステナビリティ関連の特設サイトなど、サステナビリティについて日本語で総合的に開示されたWebコンテンツ/ページが調査対象。公募による評価対象の追加はしていない。
コーポレートガバナンス・環境・社会貢献(慈善活動・企業寄付・地域貢献など)などに関する単独ページ、IRサイト、財務関連ページ、採用サイト、ECサイト、商品サイト/ブランドサイト/キャンペーンサイト、統合報告書およびサステナビリティレポートのコピーコンテンツ(HTML版)、統合報告書およびサステナビリティレポート/CSR報告書/社会・環境報告書などのPDF(リンクからの単独PDFページ含む)、有価証券報告書(PDF)、電子ブック、動画、は調査対象外。
◯評価手順
1. 一次審査:対象企業群においてスクリーニング評価をし一定の基準を満たした企業を抽出(82社、約5%)
2. 二次審査:抽出された企業をスコアリングしランキング化して上位企業を抽出
3. 最終審査:抽出企業を格付要件に照らし合わせて格付けランク(総合評価)を選定
※「業種別ランキング」:東証17業種区分ごとに振り分け、業種ごとに最終審査ののちランキング
◯評価方法
評価方法は、サステナビリティ情報で開示すべきと考えられる、独自設定した主要要素を軸に情報充実度の評価を実施。調査対象企業へのヒアリングやアンケート調査はなく、専門知識を持つアナリストらが目視で全サイトの公開情報のみを調査し評価基準にそって評価。一次調査では、ユーザビリティ評価をするためにAI等による情報収集は行なっていないが、二次調査以降ではAIで機械可読性の調査を行なっている。評価は絶対評価であり他社との定量比較による評価は行なっていない。
ホールディングス(連結会社等含む)が調査対象の場合はホールディングス自体のサイトを評価。関連会社等へのリンクや情報開示がある場合はそれらの情報を考慮。個別項目の定量的な比較分析はしていない。財務評価による加点・減点はしていない。
サイトはマルチステークホルダー向けのWebコンテンツの想定であるため、必ずしも投資家およびESG評価機関の目線では評価していない。なお、行政処分等を受けたもしくはステークホルダーへの影響力が大きい不祥事を起こしたと判断される企業は調査時に選考から除外している場合がある。
評価期間は「2025年7月1日〜2025年12月26日」。ただし、期間内で内容変更があった場合でも更新前の状態で評価している場合がある。
◯評価項目の選定
評価項目の選定方法として、開示ベースラインとして日本のサステナビリティ開示枠組みであるSSBJ基準を軸に、サイト/ページの特性としてのマルチステークホルダー視点を考慮した評価項目を取り入れている。
SSBJ基準以外では、サステナビリティ開示およびサステナビリティ関連財務開示の国際的ガイドライン、国内外のESG評価機関の評価項目、サステナビリティに関連する格付け・アワード・ランキングの評価項目、国内外の関連イニシアティブの重要項目、国内の官公庁および証券取引所の推奨開示項目、各種民間調査によるステークホルダーの情報ニーズの高い項目、そのほか世界の潮流・動向等も参照し選定。評価要素は社会の変化に合わせ毎年抜本的な見直しを行なっておりグローバルトレンドとの整合性を高めている。公平性を保つため、詳細項目、評価基準、配点・評価比重等は非公開。
◯調査格付要件
ゴールド・シルバー・ブロンズの各賞の上限および下限の社数は設けていないため毎年受賞企業数が変動している。
<ゴールド(最優秀賞)>
1. 各情報が具体的かつ網羅的に開示されサイト自体の完成度が極めて高い
2. ステークホルダーの情報ニーズを満たす開示が具体的で十分に行われている
3. 他の企業のサイトの模範となる品質である
<シルバー(優秀賞)>
1. 「ゴールド」には至らないものの情報充実度が高い
2. ステークホルダーの情報ニーズを満たす開示が十分に行われている
3. 他の企業のサイトの模範となる品質である
<ブロンズ(優良賞)>
1. 「シルバー」には至らないものの情報充実度が高い
2. ステークホルダーの情報ニーズを満たす開示が十分に行われている
<業種別ランキング>
・業種内企業で再評価をし最も情報充実度が高い上位3社
評価の透明性向上の取り組み
評価の独立性および透明性、公平性・信頼性の確保のために、当協会は調査対象企業と資本関係をもたず、また調査対象企業の非公開情報による評価は一切行っていない。当協会と利害関係(取引関係)にある企業の評価に関しては、評価担当者が独断的に評価に関与できない仕組みを採用している。
また当協会実施の「サステナビリティサイトの第三者評価」においては、アワードの主要評価項目や調査ノウハウを一部活用しているが、公平性の観点から過去データを含む個別企業評価データや詳細評価項目の情報提供およびデータ販売を行なっていない。
当協会について
◯概要
一般社団法人サステナビリティコミュニケーション協会は、サステナビリティコミュニケーションに関する調査・研究を通じ、日本企業のサステナビリティコミュニケーションの品質向上支援および啓発・普及の活動を行っている。代表理事:安藤光展。共同創業者:江田健二、猪又陽一。2016年8月設立。
URL: https://sustainability.or.jp
◯主な事業
・「サステナビリティサイト・アワード」の企画、運営
・サステナビリティサイトの第三者評価
・サステナビリティコンサルティング事業
◯代表理事略歴
安藤 光展(あんどう・みつのぶ)/サステナビリティ・コンサルタント
一般社団法人サステナビリティコミュニケーション協会/代表理事。法政大学/客員研究員。環境経営学会/理事。専門は、サステナビリティ経営、サステナビリティコミュニケーション。著書は『サステナビリティ戦略の実践』(千倉書房)など多数。テレビ・新聞・週刊誌・ニュースメディア等でも解説を多数担当。国内上場企業を中心に15年以上サステナビリティ経営支援を行う。
URL: https://andomitsunobu.net
サステナビリティサイト調査について
当協会では「サステナビリティサイトの第三者評価」を実施しています。サイトの現状分析を行い課題発見と解決策提案をセットで提言する、専門家によるアドバイザリー・サービスです。サイトの課題を明確にし解決案を知ることでより成果を生み出すサイト運営が期待できます。サステナビリティサイトのリニューアルを検討の企業様、専門家の第三者評価を受けたことがない企業様、におすすめのコストパフォーマンスの高いサービスです。またウェブサイト制作会社様との協業も行なっていますので詳しくはお問い合わせください。
>>サステナビリティサイトの第三者評価 https://andomitsunobu.net/?page_id=13121
本件に関するお問合せ
サステナビリティコミュニケーション協会 アワード運営事務局
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